「ルーク。あなたは愛とはどういうものか知っていますか」

 突然ジェイドにそう言われた。
「なんで…」
 なんでそんなこと聞くんだとか言いたかったけど、なんかジェイドの目が怖かったので大人しく答えることにした。

「よく分かんないけど、なんかあったかい感じじゃないのか。ずっと一緒に居たいって思うような」
 「ふむ」とか言いながら、ジェイドの目が細められる。
(いや、怖いって!!)

「では、恋とは何だと思いますか」

 本気で訳が分からない。
なんでジェイドが俺にそんなことを聞くんだ。あの死霊使いジェイド・カーティスが!!でも、怖いから聞けない。・・・もうちょっと頑張れよ俺!!でも怖い。だって相手はジェイドだ。

「えっと、なんかドキドキするとかそんな感じ?あとは…キ・キスしたいと思ったりとか」
 なんか言ってて恥ずかしくなる。ちらりとジェイドを見ると、なんか研究者っぽい感じの目で俺を見てる。すっごい見てる。恥ずかしいやら、恐ろしいやらで、きっと俺の顔色は変なことになってるだろう。

「ふむ、そういうものですか。しかし分かりませんね」
「え!!ジェイドにも分からないことなんてあるのか!?」
「それはありますよ。私も一応人間ですからね」
「それはそうだろうけど・・・」
 なんかジェイドは(教えてくれるかは別として)何でも知ってるから、分からないことなんてないと思っていた。でもジェイドが分からないことってなんだろう。

……てかさっきの質問と関係あんのか?




「ルーク」
 
 そんなことに思いをはせていると、いつの間にか目の前にいたジェイドに手を握られる。
(え!?なんで!!)


「私は今、貴方を抱きしめたいのですが、これは愛なのか、恋なのか分からないのです。貴方はどう思いますか」


 そんなことを言いながら、首を傾げられる。演技のような仕草だが、目はどこまでも本気だ。


(いや、そんなこと言われましても!!)


 ルークは頭を抱えて蹲りたい気分だった。しかし握り締められた手では、それすら叶わない。




愛だとか恋だとか!!